Posted by ぴんもや - 2008.08.06,Wed
「みんなーこんにちはー!
ん?声が小さいぞ!もう一度!
こーんにーちはー!!
はいよくできました。
みんなのアイドルルカお兄さんだよ!元気にしてたかな?
今日はね、ミハエルくんがアルトくんをデートに誘うんだって!どきどきしちゃうね!
さあて、どんな冒険が待ち構えているのかな?
みんなでこっそりのぞいちゃおう★」
ん?声が小さいぞ!もう一度!
こーんにーちはー!!
はいよくできました。
みんなのアイドルルカお兄さんだよ!元気にしてたかな?
今日はね、ミハエルくんがアルトくんをデートに誘うんだって!どきどきしちゃうね!
さあて、どんな冒険が待ち構えているのかな?
みんなでこっそりのぞいちゃおう★」
ヒョォォォォォ、と荒野に風が吹いた。
砂煙が舞い、視界が白く濁った色で満たされる。
これが・・・世界の終焉なのか。
彼はぼろぼろのマントを必死でたぐりよせて、震える体に巻きつけようとした。
だがすでに本来の機能を失っているそれは体を温める役割などとうに放棄していた。
もう・・・だめかもしれない。
こんなところで死ぬくらいなら、いっそあの戦闘の時にひと思いにやられてしまえば良かった。
戦士が戦って死ぬならともかく、飢えと寒さで生き倒れなど。
別れた時に笑顔で「またね」と言ってくれた、あの人に申し訳がたたない・・・・。
(一時停止∥)
「あっれー?何か違うビデオ持ってきちゃたみたい。まあいいや、ついでに続きを見てみよう★」
(再生▶)
ざっ、ざっ、と砂を踏む音が聞こえて彼は振り向いた。
そしてああ幻かと、何故か驚くこともなくそれを迎える。
「女神・・・なのか」
青にも黒にも見える長い髪を揺らしながら、その美貌の人は険しい目でこちらを睨んだ。
「ここで何をしている」
「俺は・・・死ぬところだ。いや、それとももうここが天国なのかな」
「そうか。では通りかかったついでに遺言を聞いてやろう」
「え。ちょっと待った。助けてくれないのか」
「おまえを助ける義理はない」
「冷たい女神さまだ」
「誰が女神だ」
かの人はいっそう眉間のしわを深くして舌打ちする。
どんなしぐさも、この容姿では可憐に見えるから不思議である。それにしても、と旅人は思った。
女性にしては声が低い。それに背丈もある。体を覆うマントのせいで体格までは分からないが、しなやかな身のこなしや立ち姿は、城から出ない姫君のそれではない。
「もしかして、おまえは」
(ブブッッ)
(停止■)
「あ、切れちゃった。ごめんねみんなーこのビデオ古すぎてもう使えないみたい★
いったい何だったのかなあ。まあいいや。
それじゃ、今度こそミハエルくんとアルトくんのデート編をご覧ください★」
(再生▶)
「あっ、ちょっ、それ無理だって!バカっ」
「大丈夫だって。ほら、つかまれよ」
「あああッ」
「のりのりじゃないか、アルト姫」
「やめろって、ふっ、ああッ、んっ」
「なに、音が恥ずかしいわけ?ほら、こここんなにぐちゅぐちゅ言ってるぜ」
「言うなッ・・・!」
(停止■)
「・・・・・・・・・・・・・・・・ごっめーんまた間違っちゃった★てへっ★
何か今日は調子が悪いみたい!おかしいなあ。
申し訳ないけど、ミハエルくんとアルトくんの冒険はまた次回!
ばいばーい★」
「あっやっべーこれ昨日編集作業してた別のやつだ。危ない危ない」
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ぴんもや
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女性
自己紹介:
ダメ人間を地で行く社会人。
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